子供の矯正を始めるなら知っておくべき年齢別の治療ポイント

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お子さんの歯並びが悪いことを心配に思われている方は多いのではないでしょうか。

基本的に子供の矯正治療はなるべく早くにやることをおすすめします。

できれば永久歯に生え変わる直前がベストです。ここでは矯正治療を早く始めるべき理由と年齢別の具体的治療法について詳しくご説明します。




1.子供のうちに矯正をやるべき5つの理由

1-1.骨が軟らかいので歯が動きやすい

歯は歯茎の中にある歯槽骨という骨の中に埋まっています。歯槽骨は柔らかく圧力をかけると溶けて体に吸収されるという特性がありこれを利用して歯を徐々に動かしていきます。しかし歯槽骨は年齢を重ねるごとに密度が高く固くなるため、若いうちの方が歯を動かしやすいのです。

1-2.大人になってからでは難しい顎の問題による歯並びも治しやすい

歯並びの異常は歯ではなく顎全体に原因があることが少なくありません。その場合は見た目にも機能的にも大きな問題が出ていることがほとんどですが、多くは治療が難しい難症例となり一般的な矯正治療だけでなく顎の骨を切るなどの外科手術を伴うこともあります。

しかし顎がまだ成長段階にあるときから治療を始めればある程度正しい顎のかたち・歯並びに誘導することができます。上手くいけばワイヤーなどの矯正装置をつけずに済むこともあります。

1-3.見た目や生活上の制限など矯正装置に対する抵抗が少ない

欧米では矯正治療は当たり前ですが、日本では歯並びに問題があっても治療をしない人が多くいます。

しかし日本人の歯に対する意識は決して低いわけではありません。

実は矯正治療をしたくても実際にはやらない人が理由としてあげるのは治療に使う矯正装置の見た目なのです。

最近では目立たない矯正方法も色々ありますが、子供のうちであればそういったことはあまり気にしなくてもいいというメリットがあります。

1-4.結果として治療費も安くなりやすい

成人になると歯が動きづらくなるため治療期間が長くなりがちです。

実は矯正治療にかかる料金はほとんどが技術料であるため期間が長くなればそれだけ費用もかさみます。

子供であれば歯が動きやすいので期間が短くなり結果として費用も安く済みます。

成人の矯正費用 : 60万円~120万円

子供の矯正費用 : 30万円~60万円

1-5.大人になってからの虫歯や歯周病のリスクが大きく減る

歯並びが悪いと見た目の問題だけでなく虫歯や歯周病になりやすいというデメリットがあります。

成人になってから矯正治療をしようとする人は既に悪い歯並びが原因で虫歯や歯周病が進行していることも少なくありません。

また被せものをしたり神経を抜いたりしていると矯正装置を付ける際に障害になることがあります。

子供のうちに矯正するのはそういったリスクを取り除いておくと同時に小さいころから歯に対する意識を高めることにも繋がります。

 3.年齢別具体的な治療例

3-1.6歳~9歳(大体の人が永久歯に生え変わり始める時期)

乳歯が残っている段階(混合歯列期)ではブラケットを使ったワイヤー矯正はできません。

顎や歯が成長を利用して専用の様々な装置によって正しい顎のかたちや歯並びに導くのが主目的です。

これによって、その後の本格的な矯正をスムーズに進めることができるだけでなく、場合によっては必要なくなります。

3-1-1.顎が小さい場合(乱ぐい歯、出っ歯):床矯正装置

装着時間:合計14時間以上

歯を内側から外に押すことで幅を広げていく治療です。

出っ歯や八重歯などの歯が重なっているのは顎に大きさに対して歯が入りきってないことが原因であることが多いので歯がきちんと入るスペースを作る必要があります。

大人の矯正でも使われますが子供の顎が未発達の状態でやることで成長を利用して顎そのものを大きくすることができるというメリットがあります。

また不正咬合の原因となる舌癖(前歯を裏から舌で押すなど)の改善にも有効です。

3-1-2.受け口の場合:ムーシールド

装着時間:基本的には就寝時のみでOK

ムーシールドは受け口の治療に特化したマウスピース型の矯正装置です。

基本的に歯を動かすものではないため早ければ3歳から装着することができます。

原理が少しわかりづらいですが要は受け口の原因となっているお口の筋肉の使い方を正しく矯正することを目的としています。

受け口は舌の位置が低く舌で下顎の前歯を押してしまっていることが多いため舌を上に持ち上げるとともに逆に上顎の前歯を押し出すようなかたちにしてくれます。

また上唇が上顎の前歯を内側に押しつけるのを防ぐためにその間に装置が入り込むような構造になっています。

3-1-3.出っ歯の場合:バイオネーター

装着時間:基本的には就寝時のみでOK

出っ歯の原因は上顎が小さいために歯が入りきらなかったり前歯の裏側を押してしまう舌癖だけでなく下顎の発達が遅れることで結果として上顎が前に出てしまうというケースもあります。このようなケースで有効なのがバイオネーターです。

欧米では古くから使用されてきた装置で日本ではあまりなじみがないようですが、上下の顎のバランスを整えるには有効な治療法とされています。

3-2.10歳から12歳(ほとんど永久歯、犬歯や小臼歯はまだ乳歯)

ほとんど永久歯に生えかわりますがまだ乳歯がのこっているためワイヤー矯正のためのブラケットはつけられません。

しかし顎のかたちはある程度出来上がっているのでマウスピース矯正によって歯並びを整え始めることが可能です。

3-3.13歳~(永久歯が生えそろう、基本的には成人と同様)

6歳~のタイミングから治療を進めていたのであれば本来は抜歯が必要なレベルの症例であっても非抜歯での矯正が可能になるなどのメリットがあります。

ここからは治療の仕方は成人とほとんど変わりませんが若ければ若いほど歯は動きやすくなります。

4.注意点

4-1.きちんと決められた時間装置をつけましょう

ご説明した床矯正、ムーシールドなどの機能的矯正装置や子供でも早い段階から装着できるマウスピース矯正装置はいずれも取り外しができるのがメリットです。

食事や歯磨きのときには外せるので24時間つけっぱなしのワイヤー矯正に比べてストレスが少ないのはいいですが装着時間を守らないと効果が発揮されません。

子供は矯正装置をつけることを嫌がることが多いので親御さんの管理が大切となります。

4-2.後戻りに注意しましょう

計画通りに歯が動いてくれて歯並びが整ったからと言って油断は禁物です。

矯正治療は後戻りと言って一度動いた歯が元に戻ろうとする現象がつきものです。

そのために矯正装置を外した後も保定装置(リテーナー)という後戻りを防ぐための装置をしばらくの間つける必要があります。

保定期間は一般的に2年~3年ほどですので、せっかくの治療を無駄にしないためにも先生の指示に従ってリテーナーを装着しましょう。

4-3.子供の矯正が得意な先生を選びましょう

大人の矯正と違い子供の矯正では早い段階から補助装置を使い顎の成長を利用した治療を行うことで効率的に矯正治療を行うことができます。

しかし永久歯の生え変わりや顎の成長を予測して治療計画を立てるのはそれなりの経験が必要になります。

5.まとめ

大人になってから矯正治療を始めようとして、装置の見た目が気になる、費用が高い、期間が長すぎるなどの理由で中々治療に踏み切れない方は多いです。

子供のうちから矯正治療を始めることにはお子さんにとっても親御さんにとっても多くのメリットがあります。

お子さんの歯並びが心配な方や健診で不正咬合を指摘された方などはまずは専門医に相談をしてみることをおすすめします。


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