歯医者さん選びで苦労した経験のある人は多いと思います。特に矯正治療は高額で自分の健康にかかわるので絶対に失敗したくないですよね。
矯正治療をして失敗をした、という話は良く聞きますが、多くは先生選びを間違ってしまったことが原因です。
ここではあなたに合った矯正歯科の探し方をご紹介します。矯正治療などの自由診療に関しては必要な情報をチェックしやすいため保険診療の場合よりも探しやすいと思います。【保存版】これさえ見れば大丈夫!あなたにピッタリの歯医者を見分ける17のコツも参考にして下さい。
1.事前にHPなどで必要な情報を確認
1-1.矯正歯科学会の認定をもっている
矯正歯科学会の認定医であれば必要な知識・経験がある一つの証拠になります。国内で実績のある学会は日本矯正歯科学会、日本成人矯正歯科学会です。認定医の上の専門医・指導医レベルになると審査基準も厳しく信頼度も上がりますが取得している先生の数も少なくなります。こちらの学会はいずれもHP上で認定医以上の名簿を公開していますので探しやすいです。
裏側矯正は専門性が高い分野になるので、併せて日本舌側歯科学会、世界舌側歯科学会、ヨーロッパ舌側矯正歯科学会の認定をもっているかも確認しましょう。
1-2.受けたい治療の経験が豊富
矯正治療にはいくつか方法がありますが、それぞれ必要な知識・技術は異なってきます。自分が受けたいと思っている治療の経験が豊富か確認しましょう。目安としては500症例以上あると安心です。
HPなどで“裏側矯正○○症例以上の実績”といったように書いてあるところもありますが、わからないようならカウンセリングの際に直接聞いてみてもいいでしょう。本当に実績のある先生なら快く教えてくれるはずです。
1-3.精密検査においてセファロかCTは最低限必要
一 般的な歯科医院にも大体レントゲンは置いてありますが、ほとんどが「パノラマレントゲン」と呼ばれる歯を正面から全体的に撮影するものです。矯正治療では 緻密な治療計画が必要になるため、正面だけでなく横からも同時に撮影できる「セファロレントゲン」か3次元的に撮影のできるCTが必要です。
矯正専門医院 であればセファロはあって当たり前ですが、一般歯科で矯正もやっているところでは一応確認してみるといいかもしれません。
1-4.無理なく通える場所か
治療方法にもよりますが、矯正治療は数年など長期間に渡りその間月に1回程度は歯科医院に通う必要があります。装置が破損するなど何かトラブルが生じたときのためにも、自宅から近いかだけでなく、通勤・通学や転居などの予定も考慮してアクセスの良い場所を選びましょう。
2.まずはカウンセリングで話を聞いてみましょう
最近は初診相談を無料で行っているところも多いです。遠慮せずにまずは話を聞いてみましょう。検査をしなくてもパッと見ただけで知識・経験豊富な先生はかなり踏み込んだところまで治療についての説明ができるはずです。チェックすべきポイントをご紹介します。
2-1.過去の症例写真をみせて説明してくれる
症例写真が多いのは治療経験が豊富であることの目安になります。特に検査もせずにパッと見ただけで似たような患者さんの治療例が出てくれば安心できます。
2-2.あなたの希望を聞いた上で複数の治療計画を提案してくれる
なるべく治療期間を短くしたい、装置が目立たない方法がいいなど治療に対する要望は色々あると思います。希望を聞いた上でそれに合った治療方法を提案してくれる先生を選びましょう。
矯正方法も色々種類があり先生によって治療に対する考え方や得意な治療方法は異なります。あなたの歯の状態にとって最適だと思われる治療方法を提案してくれるのはもちろん大事ですが、それだけを強く勧めてくるような場合は一旦考え直してみましょう。
2-3.見た目だけでなく咬み合わせも重視した治療をしてくれる
最近トラブルが多いのは医院も患者も美容目的での矯正治療を目指すケース。矯正治療で本当に大事なのは歯並びを整えて見た目を良くすることではなく、上下の顎の位置を考えながら、歯のかみ合わせを良くしてしっかりと「食べられる」お口を作ることです。
最近では歯を抜かない矯正や部分矯正、歯を削ったり神経を抜いたりして被せものをするセラミック矯正が人気ですが、詳しい説明や検査もなくこれらの治療を強く勧めてくる場合は注意しましょう。
2-4.治療計画についてある程度具体的に伝えてくれる
レントゲンなどを撮って精密検査をしてみないと正確な治療計画は立てられませんが、専門医であればそれまでの経験から治療期間や費用についてもある程度明確に答えてくれます。
3.治療前にチェックしたいこと
3-1.費用はいくらかかる?かならず総額でいくらかかるか確認しましょう
一 般的に矯正の治療費としてHPなどに記載されているのはメインとなる装置のみの料金であることがほとんどです。矯正中は月に1回程度は通院する必要があり その度に調整料や再診料と言ったかたちで費用が発生します。矯正治療は1年以上など長期にわたることも少なくなく総額としては意外と幅が出ます。
また装置 の故障による交換や補助器具の使用などで追加費用がかかるケースもありますので、「何にどれだけかかるか」というのを事前にきちんと確認しましょう。
最近では下記の医院のようにトータルフィーと言って最初から毎回の調整料や追加費用も含めた総額費用を出しているところもあります。
3-2.治療計画、期間について詳しく確認しましょう
- 装置をつける期間はどのくらいか
- 調整や再診での来院はどれくらいの頻度か
- ゴムやインプラントなどの補助装置を使う場合はいつ、どのくらい使用するのか
- 保定装置(リテーナー)はどのくらいの期間つけるのか
以上のようなことは最低限確認しておきましょう。精密検査後でも計画・期間についての説明が曖昧な場合は先生の治療経験が不安です。セカンドオピニオンを検討しましょう。
3-3.矯正中は虫歯になりやすい!お口のケアをしっかりしてくれる
ワ イヤー矯正は24時間ずっと歯に矯正装置を固定していますので、その周りに虫歯や歯周病の原因となる細菌がどうしても溜まりやすくなります。基本的には患 者が毎日の歯磨きを頑張るのが1番大事ですが自分だけでは限界がありますし歯磨きが苦手な人には大きな問題になります。
単に矯正治療をする だけでなくその間のお口全体のことまでトータルにケアしてくれるところも選びましょう。矯正専門医院であれば歯磨き指導やクリーニング、フッ素塗布をこま めに行ってくれるところがおすすめです。かかりつけの歯科医院がない場合は虫歯治療などの一般歯科にも対応している総合医院を選ぶのもいいでしょう。
3-4.本当にそれでいいの?できれば2か所以上で話を聞いてみましょう
医療全般に言えることですが、特に自由診療は同じ症状・治療でも先生によって考え方が違うので診断もかなり変わってきます。矯正は治療法も色々ありますし、治療において重要である咬みあわせについての考え方はとりわけ先生によって意見が割れやすい分野です。
また医療は信頼関係が第一です。人柄も含めた先生との相性も重要なポイントです。矯正は治療費が高額であり長期間に渡るため焦らず何か所かで話を聞いてみて納得のできるところで治療をすることをおすすめします。
4.まとめ
いかがでしたか。歯医者選びを慎重になるあまりTVや雑誌などで有名な歯科医院まで飛行機を使って通うような方もいますが、欧米などより遅れているといっても日本は曲りなりにも先進国です。これを参考に探せばもっとお近くでもあなたに合った良い矯正歯科が見つかりますよ。
既にズキズキ痛む虫歯のように緊急性のあるものでもないので、焦らずじっくり探してみて下さい。