歯並びで悩んでいるけれど矯正治療をして失敗したらどうしよう・・・とお悩みの方は多いのではないでしょうか?
基本的に保険がきかず高額で時間もかかり、実際に失敗したという声も少なくありません。事実、矯正にかぎらず歯科治療は一度始めてしまうと転院が中々難しく治療に不満があっても返金してくれるところは多くありません。
しかし矯正治療は長い歴史をもち既に理論や方法も確立された治療です。いたずらに失敗を恐れて健康でキレイな歯を手に入れるチャンスをあきらめることはありません。
今回は実際にインターネットで検索して見つかった様々な失敗談をプロの目線で解説し対策を提示します。それぞれに対応してくれる専門医もご紹介しますので是非参考にしてみて下さい。
Contents
1.咬み合わせが変わって肩こりなどの症状が出た。顎関節症になった。
歯列矯正中なのですが、顎関節症らしき症状が出てきました
引用元:YAHOO!知恵袋
矯正治療の本来の目的は見た目を良くすることではなく、悪い咬み合わせを正しく治すことです。矯正治療後に咬み合わせに違和感がでたり、顎関節症になったという意見をよく聞きますが、もしそういった症状が出た場合は、咬み合わせが“変わった”からではなく、治療が不十分で“合っていない”可能性が高いです。
また歯並びが悪い状態で長く生活していると食べるときの口や舌の使い方にも問題が生じていることが多々あります。お口周りの正しい筋肉の使い方も指導してくれるようなところを選びましょう。
対策
・見た目だけでなく咬み合わせまで考えた治療計画をしっかり提案してくれるところを選ぶ。部分矯正や歯を抜かない矯正を強くおすすめするような医院には注意。
・口腔筋機能療法(MFT)などお口周りの筋肉を鍛えるトレーニングを導入している医院を選びましょう。以下の医院は一般的なMFTに加えて独自のプラグラムを組んで正しいお口の使い方を指導してくれます。
2.虫歯や歯周病がひどくなった
矯正を始めてから虫歯がかなりできてしまいました。
引用元:歯チャンネル88
ワイヤーによる矯正をして虫歯や歯周病がひどくなったという話はよく聞きます。これは装置が邪魔をして歯磨きがしづらく、特に装置の周りに歯垢が溜まりがちになってしまうことによるものです。
また虫歯になってしまっても矯正治療中は治療が難しくなります。事前に十分に治療を行った上で矯正治療に入るようにしましょう。
対策
・しっかりと歯磨きをする。基本的にはこれにつきますので、歯磨き指導を徹底してやってくれるところを選びましょう。ワイヤー矯正の場合は調整時に毎回クリーニングをやってくれるところがベストです。
・歯磨きに自信がなければマウスピース矯正であればリスクは下がります。基本的に食事のときは外しますし、歯磨きも取り外して通常通り行うことができます。もちろん歯とマウスピースは常に清潔に保つ必要はありますので最低限のケアは重要です。
歯磨きなど指導などのケアをするのは歯科衛生士の領域です。こちらの医院のように歯科衛生士の技術レベルも高い医院を選びましょう。
3.痛くて食事ができない
つけた当日は違和感はありましたが痛みはほぼなく、友人と食事を取ることができました。
しかし昨日から歯が痛み出し、食事を取ることができません。引用元:教えて!goo
矯正治療において痛みはある程度は避けられないものですが、口コミで見るような話は少々おおげさなものが多いです。確かに矯正を始めてすぐは慣れていないのもあり、ゼリーやおかゆなどの柔らかいものしか食べられないというのはあり得ますが、通常それほどの痛みは1週間程度で収まります。
ワイヤー矯正の場合は1か月ごとの調整の度に少し痛みが増したり、あまりに硬い食べ物は満足に食べれれないことはありますがそこまで食事に制限は出ません。
2年間も生活に支障をきたすほどの痛みが出るなら誰も矯正などやりたがりませんし、そもそも痛みが出るのは確かに歯が動いている証拠でもあるのです。
対策
・あまりに痛みが強いときは痛みどめを飲みましょう。また痛みの原因は歯茎の中の骨(歯槽骨と言います)が炎症を起こすことによるものですので冷やしてあげると緩和されます。
・ゆっくりと時間をかけて歯を動かすマウスピース矯正は比較的痛みが出にくいと言われています。痛くなったら外せるというのもメリットですが、一日の装着時間を守らないと治療が遅れる可能性がありますので自己管理が大切になります。
・ワイヤーにかける圧力を適切にすることによって痛みはある程度コントロールできます。同じ装置を使っていても調整の仕方によって歯の動き方も大きく変わってくるので、知識・経験豊富な先生を選びましょう。
4.後戻りしてしまった
私は小学校五年生~中学校二年生くらいまで出っ歯を治すために矯正していました。
中高大の間は、笑うのも気にならなかったのですが、最近また戻ったような気がしてとても悩んでいます。
引用元:歯チャンネル88
矯正治療はその性質上後戻りはどうしても起こり得るものです。しかしせっかく貴重な費用と時間をかけて行うものですから台無しにしたくありませんよね。
後戻りを防ぐためには治療するあなたの意識となるべくそれが起こらないようにするための歯科医師による綿密な治療計画とアフターケアが重要です。
対策
・リテーナー(矯正治療後の保定装置)を担当医の指導通りにしっかりと着用しましょう。リテーナーにも種類が色々ありますので生活スタイルによる要望や症状に合ったものを提案してもらいましょう。
・治療前の段階で保定期間やリテーナーの装着時間も含めた治療計画を担当医に確認しましょう。ここであまりに長い期間を言われたり、あいまいではっきりとした答えが得られなかったりしたら一旦考え直して他の医院での治療も検討しましょう。
5.最初言われていたより期間がかかった
私は現在矯正治療中なのですが、あまりに治療期間が長いことに不信感があったので相談させていただきました。
私は小学校3年生ぐらいの時から矯正治療を始め、今は24歳なのでかれこれ14年ぐらい治療に通い続けています。引用元:歯チャンネル88
このように矯正治療に何十年もかかっている例を耳にすることもありますが、全体的な矯正だと大体1年~2年、難しい症例でも長くて3年程度です。事前にきちんとした説明もなくこれ以上長くかかっている場合は治療計画が不十分だったか治療が上手くいかなかった可能性が高いです。
対策
・治療前に大体どれくらいの期間がかかるかきちんと確認しましょう。きちんとした知識・経験のある先生であればレントゲンなどの検査後具体的な期間を明示してくれるはずです。
・ワイヤー矯正の場合は装置を歯に固定するため特に意識する必要はありませんが、オプションとして使用することがあるゴムや自分で取り外しのできるマウスピース矯正などは装置時間をきちんと守らないと治療が遅れることがあります。ここはしっかりと自己管理をしましょう。
6.追加費用をとられて総額が高くなった
かみ合わせも悪いので、矯正費用をお聞きすると、20万位でできますよと言われたので、これは安いと思い、即お願いしました。
ところが、1年以上経って、追加で10万、また追加で10万と都度都度の治療費の支払いを含め、すでに30万以上払っています。
引用元:歯チャンネル88
矯正治療にかかる費用はメインとなる矯正装置の料金だけでなく治療前の検査や1か月毎の調整料など色々あります。
また治療途中で装置の破損や治療計画の変更などで追加の費用をとられてトラブルになるケースが増えているようです。
対策
・追加料金の有無についてもきちんと確認しましょう。ただし基本的には追加料金が発生するという状況は治療計画の曖昧さが原因ですのでしっかりした先生であればないと思っていいです。
・事前に費用の細かい内訳と総額を確認しておきましょう。調整料に関しては治療期間によって変動しますがきちんと経験のある先生であればある程度正確に治 療期間と総額を提示することが可能です。聞いても曖昧な答えしか返ってこない場合は注意です。最近では下記の医院のようにトータルフィーと言って全てコミコミで金額を提示す るところもあるのでおすすめです。
7.見た目が気になって内向的になった
歯列矯正をしていると見た目が悪くて、相手の目が気になります。
恋愛とか結婚とかも少し後ろ向きになってしまい…
歯列矯正している人の印象ってどうなのでしょうか?引用元:YAHOO!知恵袋
咬み合わせはもちろん気になる見た目をキレイにするというのが歯列矯正の主たる目的ですが逆に治療中は装置の見た目がどうしても気になってしまうというのは昔からある問題です。
対策
・現在では治療技術や素材の進歩により目立たない矯正治療の方法が色々出てきています。
- 歯の裏側にワイヤーをつける裏側矯正(舌側矯正)
- 歯の表側につけても目立たない白い素材を使ったワイヤー矯正
- 透明で取り外しのできるマウスピース矯正
・欧米では歯並びが悪いというのが問題になりやすく矯正治療は当たり前なので色のついたワイヤーやゴムを使ってファッションの一つとして楽しんでいる人もいます。現代では一般的で必要な治療であると認識して気にし過ぎないのも大切なことです。
8.すきっ歯になってしまった
普通の歯科医で、歯列矯正を始めて3年です(現在26歳です)
半年ほど前からリテーナになりました。リテーナを付けて1ヶ月ほどで、下の歯の抜歯した所に左右とも
0.5cmくらいの隙間ができてしまいました。引用元:教えて!goo
患者側の言う気になる箇所だけでなく、全体の歯並び・咬み合わせを考えた総合的な治療計画が不十分だとキレイに並んだと思ったら思わぬところに隙間ができてしまうようなことがあります。
対策
・安易に部分矯正や歯を抜かない矯正を勧めてくる医院は注意です。全体の咬み合わせまで考えた総合的な治療計画を提案してくれるところを選びましょう。治療前に似たような患者の症例写真を見せて説明をしてくれるとベストです。
・前歯に関してはブラックトライアングルと呼ばれる隙間がどうしてもできてしまうこともあります。健康的にも見た目的にも大きく問題がないケースもありますが、専門の治療を行っている医院もあります。
9.歯の根が溶けてしまった
床矯正で矯正を失敗し、他院で再矯正をしている、大学生です。
歯根が床矯正で無理な力を加え過ぎた為に三分の一しかありません。引用元:YAHOO!知恵袋
矯正治療は歯の根っこによって圧力をかけられた周りの骨(歯槽骨)が吸収と再生を繰り返すことによって歯を動かしていく治療ですが、まれに歯の根っこそのものが吸収されて小さくなってしまうことがあります。これを歯根吸収と呼びます。
具体的なメカニズムははっきりとしていませんが一般的に無理に強い力を加えたときによく起こる傾向にあると言われています。
対策
・コルチコトミーやインプラント矯正などいわゆるスピード矯正ではリスクが高まる傾向にあります。いずれも一般的な矯正治療にはない外科手術も伴うものですので希望される場合は専門医を選びましょう。
まとめ
いかがでしたか。絶対に失敗しないための矯正歯科の選び方12のポイントで詳しく解説していますが、矯正歯科は専門性が高いため信頼できる歯科医院選びが非常に重要です。
各項目で参考としてリンクを張っている医院は歯科ゼミでもおすすめのできる矯正専門医院です。これらの医院に限らず矯正専門医院では初診相談を無料で受け付けているところも多いので、心配事があるのなら直接相談してみるのをおすすめします。